小学生の不登校

発達障害(グレーゾーン)と小学生の不登校の関係を徹底解説!【対策もご紹介】

2020年5月15日

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発達障害を持つ小学生は、そうでない小学生に比べ不登校になりやすい傾向があります。

勉強についていけないことや、コミュニケーションが上手くとれないことで、学校に行くことが嫌になりやすいからです。

また、発達障害は特性が見た目ではわかり辛く、周囲に発達障害であることを気づかれないケースが多いと言われています。そのため、極端に苦手なことがあったとしても、周囲からは努力不足だと判断され叱られてしまいます。

親御さんや学校の先生に叱られ続けることは、子どもにとって大きなストレスとなります。ストレスの原因が学校にあれば、不登校になる確率は上がります。また、ストレスを感じ続けてしまう子どもは、二次障害を発症しやすいとも言われています。

発達障害の治療法は現時点では解明されておりません。しかし、発達障害の理解を深め上手く付き合うことができれば、将来の強みになり得ることを当記事ではご紹介します。

 

1. 発達障害について

この章では、発達障害とはどういう症状なのかご説明します。また、発達障害と不登校の関係を知る上で、知識として欠かせないグレーゾーンと二次障害についてもご説明します。

発達障害がある不登校の子どもと接するにあたり、発達障害について理解することはとても大切です。発達障害について知識があれば、子どもの言動に対し適切な対応ができるからです。

1-1. 発達障害とは?

発達障害とは、生まれつき脳機能の発達に偏りがあり、社会生活において困りごとが生じる疾患のことをさします。その上で、発達障害は大きく以下3つの疾患に分けて考えられます。

  • 広汎性発達障害(PDD):コミュニケーションや対人関係において問題がある。
    自閉症やアスペルガー症候群などが含まれる。
  • 注意欠陥多動性障害(ADHD):注意力に欠け、落ち着きがなく、ときに衝動的な行動をとる。
  • 学習障害(LDD):「読む」「書く」「計算する」などの能力習得が極端に苦手。

発達障害を持つ小学生は、クラスメイトと上手くコミュニケーションがとれない、授業に集中できない、勉強についていけないなどの事情から、不登校になる可能性が高いと言われています。

冒頭でも伝えた通り、発達障害の治療法は現時点では解明されておりません。よって、「発達障害と上手く付き合っていく」という考え方がとても大切です。

1-2. グレーゾーンとは?

グレーゾーンとは、文字通り白か黒かはっきりしていない状態のことをさします。そして、発達障害に関するグレーゾーンとは、発達障害の特徴が見られるものの病院では発達障害だと診断されない状態をさします。

発達障害かどうかは、数値で明確に測れる訳ではありません。また、診断当日に症状がそれほど見られず、発達障害だと診断されないケースもあります。

発達障害と診断されていないため、周囲の理解やサポートを受けにくいといったグレーゾーンならではの悩みもあると言われています。

親御さんがグレーゾーンの認識を深め、周囲の人々に配慮していただくように促すことが、子どもが傷つかないためには必要です。

1-3. 二次障害とは?

二次障害とは、発達障害がきっかけで社会生活(学校生活)に支障が生じ、その延長で別の障害が発症してしまうことをさします。具体的には、発達障害がきっかけでクラスメイトにいじめられ、対人恐怖症を患い、不登校になってしまうケースなどがあげられます。

しかし、二次障害は発達障害と異なり治療法が存在します。病院にかかることや薬を投与することで、症状が和らぐ可能性も十分にあります。もちろん二次障害を発症しないことが理想ですが、二次障害について理解を深めることで発症した際の速やかな対策にも繋がります。

以下では、不登校になった小学生が発症しやすい二次障害をご紹介します。

  • ゲーム依存:生活が破綻するほど、長時間ゲームにのめり込んでしまう。
  • 睡眠障害 :昼夜逆転現象が見られたり、数時間しか眠れない。
  • 対人恐怖症:人と接するのが怖く、人前にでることができない。
  • 心身症  :心理的なストレスの影響で、身体に疾患が生じる。(胃潰瘍など)
  • うつ病  :何をするにしても活力が無い。(食欲低下や持続する焦燥感など)
  • 家庭内暴力:親に怒られたり、気に入らない態度に対し、暴力をふるう。

上記以外の二次障害も多数存在しますが、全て解消することは可能です。

 

2. 発達障害を持つお子さんとの接し方!

この章では、発達障害のある不登校のお子さんと、親御さんが上手く付き合う方法をご紹介します。発達障害は、「背が高い」「声が低い」といった特徴と同じく個性だと思ってください。

発達障害があるからといって、社会に適合できない訳ではありません。悲観せず、発達障害と上手く付き合うことを念頭に置いてください。

2-1. 子どもの自己肯定感を高めてあげる

子どもと接する上で親御さんに意識していただきたいことは、自己肯定感を高めてあげるということです。

自己肯定感とは「自分のことを自分で認められる気持ち」といった意味の言葉です。

自己肯定感が低い子どもは、高い子どもに比べ自分の言動に自信を持てません。そして、自信のない言動は些細なトラブルを後ろ向きに捉えてしまうなど、不登校の原因にも繋がりやすくなります。

発達障害は特徴が外見に現れないことが多く、周囲から障害を理解されにくい現状があります。このことが理由で出来ないことを努力不足などと判断され、叱られることが多くなる可能性もあります。叱られ続けると自己肯定感は下がり、自分のことが認められなくなってしまいます。

時には叱ることや注意することも必要ですが、それ以上に褒めることを増やしてあげてください。

では、どのように子どもを褒めてあげればいいのでしょうか?以下で例をご紹介します。

  • 朝早起きした場合 →「早起きできて偉いね。」
  • ご飯を残さず食べた場合 →「残さず食べて偉いね。ありがとう。」
  • 挨拶できた場合 →「挨拶できて偉いね。」

このように、子どもができたことは具体的に褒めてあげてください。そうすることで、子どもの自己肯定感は自然と高まり、自信がつくようになります。

また親御さんから褒められ続けることで、親御さんへ愛着をより感じ、悩みや相談ができるようにもなります。悩みや相談は二次障害を解消する上で欠かせません。1人で悩みを抱え込ませないように子どもを褒め続け、自己肯定感を高め続けてあげてください。

2-2. 正しい親子関係を築く

次に実施していただきたいことは、正しい親子関係を築くということです。子どもの言いなりになり、親子の立場が逆転してはいけません。

正しい親子関係が築けていない家庭の子どもは、わがままな性格に育ってしまいます。わがままな性格の子どもは自分の思い通りに行かないことを受け入れらず、暴力をふるうなど二次障害も発症してしまう恐れが高まります。また親子の立場が逆転していると、親御さんへの相談も減ってしまいます。

一方で、正しい親子関係が築けていれば、子どもは困った時に親御さんへ相談することができます。「どうしても授業に集中できない...」「算数がどうしても分からない...」など、発達障害の特徴を子ども自ら相談してくれる可能性もあります。

そのためには、躾(しつけ)をきちんとする必要があります。間違ったことには叱り、言動を正してあげてください。最初は反抗的な態度を見せるかもしれませんが、その分褒めてあげられる点は褒めてあげてください。そうすることで、正しい親子関係は自然と構築されます。

 

3. 発達障害の捉え方(強みについて)

この章では、発達障害のポジティブな捉え方についてご説明します。マイナス面ばかりに注目する人が多い発達障害ですが、将来の強みとなり得る部分があることを理解してください。

以下では、グレーゾーンと判断されやすい

  • 自閉症スペクトラム症
  • 注意欠陥多動性障害(ADHD)

の強みになり得る部分についてご紹介します。

3-1. 自閉症スペクトラム症の強みについて

自閉症スペクトラム症は、対人関係やコミュニケーションにおいて問題が生じやすい症状です。空気が読めないことや、相手の気持ちが分からないことで、周囲と上手く接することができないと言われます。

しかし、強みになり得る部分として「こだわりの強さ」という点もあります。以下では、自閉症スペクトラム症の子どもに見られる「こだわりの強さ」を強みとして捉える考え方を、一例としてご紹介します。

【特定の分野に、強いこだわりを持つ】

自閉症スペクトラム症の子どもは、特定の分野に強いこだわりを持つことがあります。

例:インターネット、ゲーム、電車、絵、数字、恐竜、昆虫、など

また、理科や社会といった特定の教科のみ得意であるという特徴があったりもします。

 

【その分野のプロフェッショナルを目指す】

こだわりが強いことは、その分野で活躍できる可能性が高いことを意味します。今後より一層AIが発達していく現代社会において、一般的な能力はそれほど重要視されないと考えられています。

裏を返せば、他を寄せ付けない突出した能力が重宝される時代が来るということです。自閉症スペクトラム症を弱点だと捉えず、「その分野のプロフェッショナルになれる可能性」と捉えてみても良いのではないでしょうか?

 

3-2. 注意欠陥多動性障害(ADHD)の強みについて

ADHDは、「自分の感情をコントロールする」「物事に集中する」「他人の表情から感情を理解する」といったことが上手くできない症状です。衝動にかられ行動をしてしてしまうことや、授業を静かに聞くことができないことなどが例として挙げられます。

しかし、強みになり得る部分として「想像力が豊か」「独創性がある」「感受性が強い」なども存在します。以下では、「想像力が豊か」という強みに注目します。

【想像力が豊か】

ADHDの子どもは、集中力が欠けていることが多いと言われます。授業に集中できない理由は、他の興味に意識が移ってしまうからです。

一方で、想像力がとても豊かだと捉えることもできます。この想像力の豊かさが活きる分野に進む決断も、選択肢として良いのではないでしょうか?

【想像力が活かせる仕事を目指す】

世の中には、想像力の豊かさが必要とされる仕事が多く存在します。

例:作家、イラストレーター、芸術家、音楽家、デザイナーなど

もちろん、上記のような仕事に就けば必ず成功すると言える訳ではありません。ただ、ADHDの子どもが上記のような想像力を必要とする仕事に興味を持てば、活躍できる可能性は大いにあると考えられます。

 

4. まとめ

発達障害を持つ小学生は、そうでない小学生に比べ不登校になりやすい傾向があります。

発達障害は、特性や障害が見た目ではわかり辛く、周囲から理解されにくいことがあります。得意なことと不得意なことの差が激しいため、できないことがあると努力不足だと誤解され叱られることもあります。

また、数値的な判断基準が無いため、グレーゾーンという表現がされることもあります。

当記事では、小学生の発達障害(グレーゾーン)との付き合い方についてご紹介しました。発達障害については、まだまだ科学的な根拠が示されている点が少なく、頭を抱える親御さんも多いかと思われます。

しかし、普段の私生活で実施できる以下2点を意識していただくことで、お子さんとのコミュニケーションが良好になります。

  • 子どもの自己肯定感を高めてあげる
  • 正しい親子関係を築く

良好なコミュニケーションは、お子さんの悩みなどを聞き出しやすくします。お子さんが悩みを親御さんに相談できる関係作りを目指してください。

当記事の内容で、「もっと詳しく知りたい」「この場合はどう考えたらいい?」などの質問がございましたら、私たち不登校支援の専門家に気軽に相談してください。1人で抱え込むよりも、誰かに相談することで気持ちがスッと軽くなりますよ。

最後まで読んでくださった皆様のお力になれることを、心から願っています。ありがとうございました。

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  • この記事を監修した人
小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

逸(いち)高等学院 代表
株式会社SSiM 代表取締役社長

業界最速で不登校を解決する「3週間で不登校解決プログラム」を展開。毎年200名以上の不登校に悩む親御さんが相談に訪れる。

受講者は全員が再登校しており、再登校までの期間は平均で3週間。
当プログラムの目的は、「子ども達がこの先の人生を幸せに生きていくこと」。不登校の解決はそのための通過点に過ぎないと考えており、できる限り短い期間で再登校することを大事にしている。

学生時代には不登校の子ども達に向けたボランティア活動を通し、多くの不登校の子どもたち、保護者様と関わる。

ボランティア活動を通して、子ども達や親御さんとお話しする中で、「本当は学校に行きたい、だけど行けない。自分でも行けない理由が分からない」子ども達が多くいることを知る。

そのように苦しんでいる子ども達や親御さんを見て、「不登校で苦しむ子供たちを一人でも多く救いたい」との思いを持つようになり、不登校支援事業を立ち上げるに至る。

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