小学生の不登校

不登校の小学生を転校させるべき、2つのケース

2020年4月22日

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子どもを転校させるべきか?

小学生の不登校の子どもを持つ親御さんにとって、子どもを転校させるべきかの判断はすごく難しいですよね。例えば、以下のような点で悩まれていませんか?

  • 転校はハードルが高い(引っ越し、仕事の関係など)
  • 転校先で再登校できるか不安

まず、はじめに理解していただきたいのは、このような悩みを抱えている人はとても多いということです。

2019年の文部科学省のデータによると、不登校の小学生は44,841人(前年:35,032人)でした。ただ、この人数には長期欠席者が入っておらず、長期欠席者を含めると84,033人(前年:72,518人)まで上ります。(文部科学省HP

このデータが示すように、8万人以上の同じ悩みを持った親御さんが全国にいることを知っていただきたいです。また、小学生時代に不登校だった子どもは、中学生以降も不登校から抜け出せないケースがとても多いです。

お子さんがいつもまでも学校に行けないといった状況を避けるためにも、当記事では、転校すべき2つのケースを紹介します。また、この2つのケースに当てはまらない場合は、今いる学校に再登校できる方法をお教えします。

当記事が、一人でも多くの「転校すべきか悩んでいる方」の後押しになることを願っております。

1. 転校するべき2つのケース

この章では、転校するべき2つのケースを紹介します。転校の決断は簡単ではないと思います。しかし、お子さんの状況によっては、今すぐ転校しないと手遅れになる可能性もあります。お子さんの現状と照らし合わせながら、2つのケースに当てはまっていないかを確認してみてください。

1-1. 本人の登校意志→〇、不登校の原因→いじめ

まず1つめのケースは「いじめ」についてです。文部科学省には、2014年に元不登校者を対象にした、不登校の原因を調査した結果があります。(不登校の生徒に関する追跡調査結果)この中で最も多い原因は、友人関係(いやがらせ、いじめ)の44.5%でした。

いじめは、小学生における不登校の原因としては半数近くの割合を占めています。しかし、「いじめ」という問題は、本人が学校に行きたいと思っても、いじめを受けている中では、なかなか登校することが難しいです。

ただし、いじめを受けている小学生全員が、すぐに転校するべきだとは思いません。転校するべきなのは、登校意志があるのにも関わらず、「いじめ」が原因で不登校の場合です。

登校意志があるのに、いじめが原因で不登校になる例には、以下の2点が挙げられます。

  • 再登校したが、再びいじめを受け不登校になる。(1回は再登校できた)
  • 学校には行きたいが、身体が拒絶する。(校門や教室の前までは行ける)

このような状況の場合、私は転校するべきだと考えます。

その理由は、いじめをしている側の行動を変えることは難しいからです。いじめをしている側の行動が簡単に変わるのであれば、世の中の「いじめ」という問題は、もっと解決されているはずです。

しかし、友人関係(いやがらせ・いじめ)による不登校の割合も、年によって多少の上下はありますが、減っているとは言えません。

登校意志がある貴重な子どもの時間を、守ってあげましょう。

もちろん「いじめ」と長期的に向き合えば、再登校できるかもしれません。しかし、いつになるか分からないその時を待ち続けるよりは、いっそのこと転校を決断した方が子どもにとって良いと思いませんか?

市町村によっては、引っ越しをせずに転校できる学校があります。詳しくは『転校する場合の対策方法』をご覧ください。

また、お子さんに登校意志があるか、いじめの原因が何かの2点を、親御さんが把握できている場合は、転校後もうまくいくケースが多いです。(この点については、次章で説明します。)

こちらのケースに当てはまるご家庭は、お子さんのためにも転校を考えてみてください。

1-2. 本人の登校意志→〇、学校の対応→×

2つめのケースは学校の対応が悪いケースです。不登校の原因(家庭内の問題を除く)は、ほとんどが学校にあります。もちろん前述した、友人関係(いやがらせ、いじめ)も含まれます。他にも学業不振(27.6%)や先生との関係(20.8%)も、学校に原因があると言えます。(文部科学省による不登校の生徒に関する追跡調査結果

担任の先生の対応が悪いだけなら考える余地もありますが、学校によっては校長や教頭でさえも、対応が悪いケースがあります。

そのような学校に、無理やりお子さんを通わせる必要はないと思います。

ただ前提として、以下の2点を実施できているか、転校を決断する前にご確認ください。

  • 不登校の理由を明確に把握しており、子どもとのコミュニケーションは上手くとれているか。
  • 先生や学校に対し、上から目線で接していないか。

この2点が実施できていれば、転校先で再登校ができる可能性は高くなります。

しかし、この2点が実施できていない場合、根本的な解決は難しいです。転校先の学校でも、再び不登校になる可能性が高いからです。

次章以降でこの2点が必要な理由をご説明します。転校を決断される前に、以下の事項が実施できているが確認してみてください。

 

2. 転校を決める前に、親御さんが確認するべき大事な2つのポイント

この章では、前章で記載した2つの親御さんに実施いただきたい行動について説明します。この章に記載する2つの行動を実施するだけで、不登校が解決する可能性は高まります。

2-1. 子どもと良好な親子関係があるかどうか

良好な親子関係とは、お子さんとコミュニケーションがしっかりとれているかを意味します。親御さんに、不登校の原因を伝えていない子どもはとても多いです。理由は様々ですが、「親に心配をかけたくない」「親に怒られたくない」などが挙げられます。

ではこのような家庭の場合、どのような対策をすればいいのでしょうか?

以下の点を実施してみてください。

  • 子どもの自己肯定感を高めてあげる

自己肯定感が高まると、子どもは自分の存在意義を感じ、前を向くことができます。そして、親御さんにも悩みを打ち明けられるようになります。理由は以下で説明します。

まず自己肯定感を高めるために、お子さんをとにかく褒めてください。例えば、朝7時に起きられたり、「早起きできて偉いね」と褒めてあげ、ご飯を残さず食べられたら、「残さず食べて偉いね」「いっぱい食べてくれてありがとう」と褒めてあげましょう。

褒められることで子どもは徐々に自信が付き、親御さんからの愛情もより感じられるようになります。一方で、不登校を責めるなど、子どもを否定するような言動は、自己肯定感を下げてしまうためNGです。

上記の言動を続けていくことで、子どもは親御さんからの愛情を感じ、親のことを信頼できるようになります。信頼関係が築けると、子どもからも悩みを打ち明けてくれるようになります。すると、次にとるべき行動がより明確になりますよね。明確な理由が分かれば、転校しなくても不登校が解決するかもしれません。ここまで良好な親子関係を築けた上で、以下の2つのケースに当てはまってしまった場合は、転校の決断をしましょう。

  • 再登校したが、再びいじめを受け不登校になる。(1回は再登校できた)
  • 学校には行きたいが、身体が拒絶する。(校門や教室の前までは行ける)

 

逆に良好な親子関係が築けていないと、正確な不登校の原因が掴めず、正しい対策ができません。また転校先でも、再び不登校になる可能性が高いです。

よって、良好な親子関係が築けているかは、必ず確認してください。

2-2. 先生(学校)に対し、上から目線で接していないか

不登校について、先生(学校)に相談することがあるかと思います。先生や学校の対応が親身であれば、再登校に繋がる可能性は高まります。

この際に大切なのが「先生(学校)に対して上から目線で接しない」ということです。明らかに原因が先生(学校)にあっても、その姿勢は貫いてください。

理由は、先生も人間だからです。

上から目線の態度で対応されて、気持ち良いと感じ人はいないですよね?

先生も同じです。上から目線が理由で、親身に対応してくれない可能性も十分考えられます。

上から目線でなく低姿勢で相談しているにも関わらず、先生(学校)の対応が悪ければ、転校を決断しても良いと思います。もちろん、低姿勢で対応する筋合いが無いケースもあると思います。ただそこは、お子さんのためだと我慢してください。

先生(学校)への接し方で悩まれる親御さんは、意外と多いです。私たちもこれまで多くの相談を受けてきました。「このような接し方でいいの?」「私の接し方でどこか直すべき所はある?」という疑問があれば、いつでも私たち不登校支援の専門家にご相談ください。

他の人の意見を聞くことで、気づくことはとても多いですよ。

 

3. 転校して不登校が解消した小学生A君の事例

この章では、度重なるいじめが理由で、元の学校に登校ができなくなったA君の転校事例を紹介します。

A君
性別:男の子
学年:小学3年生
不登校期間:2年生の2月中旬~3月前半。
3年生の3月中旬~春休み明け
転校時期 :3年生の8月中旬~(東北地方のため、夏休みが短い)
不登校理由:度重なるクラスメイトからのいじめ

〈母親がとった行動〉

まずA君の母親は、A君が学校に行かない理由をA君に聞きませんでした。理由は、母親本人も小学生の頃に不登校の経験があり、当時父親に学校に行かない理由を聞かれ続けたことが、とても嫌な記憶としてあったからです。

母親がとった行動は、A君に寄り添うことでした。日中のパートも、A君のために休むことにしました。そしてA君が自分から相談するまで、待ち続けました。

母親と日中も過ごすようになり、A君は不登校後10日目にして初めて母親に理由を打ち明けました。理由は「いじめ」でした。ただ学校に行く意志があったA君は、理由を告げた週明けから再登校し始めました。

しかし「いじめ」は無くならず、すぐに2回目の不登校になってしまいました。母親は、A君がもう一度再登校したいと言うまで寄り添いました。意志が強かったA君は「春休み明けからは再登校する」と母親に話していました。

一方母親は、学校に対して不登校の原因を説明し「3年生になったら、いじめをしているクラスメイト4名と別のクラスにして欲しい」とお願いをしていました。母親は物腰柔らかいとても優しい方で、学校へも低姿勢で接しておられました。

しかし、学校は「いじめの事実はない」と説明し、いじめをしていた1人と3年生のクラスを一緒にしてしまいました。3年生のクラス分けの結果を知ったA君は、身体がすくみ学校に行くことができませんでした。

ここで母親は、転校を決断しました。幸い引っ越しせずに転校できる公立小学校があったので、少し休養を取り夏休み明けから再登校することができました。転校先の小学校は、A君の学力が他の生徒と開かないように、プリントなども用意してくれたそうです。

A君は今も、転校先で元気に学校に通っています。

 

4. その他の不明点について

当記事は「転校すべきかどうか」の判断基準に使っていただきたく、執筆しております。

しただがって、当記事では説明しきれていない以下のような点で、疑問に思われる方もいらっしゃられるかと思います。

  • 転校時に準備しなければいけないことは?
  • 公立→公立 公立→私立のどちらが良いのか?
  • 転校するタイミングはいつが望ましいのか?

もし上記の内容や、当記事についてより詳しく知りたいと思っていただけた方は、私たち不登校支援の専門家に相談してみてください。1人で抱え込むよりも、誰かに話すだけで気持ちがスッと軽くなりますよ。

少しでも当記事を読んでいただいた皆様の、お力になれればと思っております。

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5. まとめ

転校すべきかどうかの判断基準は、明確にあります。

転校を考えるべき場合は、

  • 本人の登校意志→〇、不登校の原因→いじめ
  • 本人の登校意志→〇、学校の対応→×

の2点です。どちらかに当てはまる場合、今すぐ転校しなければお子さんの不登校が長引く可能性があります。(小学生の不登校は、中学生以降も続く可能性が高い。)

上記の転校すべき条件を満たしている場合は、お子さんのために早く転校させてあげてください。

しかし、転校を決定する前に以下の2点を実施できているか確認し、できていなければ実施してください。

  • 子どもと良好な親子関係があるか
  • 先生(学校)に対して、上から目線で接していないか

この2点が実施できていない場合は、転校せずとも不登校が解決する可能性があります。

不登校の理由が分からないまま転校を決めたり、上から目線で先生(学校)に接することは、お子さんにとってプラスに働きません。

自分のこととなると、人は当たり前のことが当たり前にできません。私も偉そうに綴っておりますが、相手目線(お子さんや先生の立場に立つ)ができているか?と問われると、自信を持って頷けないというのが正直な答えです。

ですが当記事を読んでくれた親御さんは「お子さんのことを真剣に考えられる、相手目線を持てる方々」だと私は信じています。

当記事が、皆様の行動の少しでも役に立つことを願っています。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

  • この記事を監修した人
小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

逸(いち)高等学院 代表
株式会社SSiM 代表取締役社長

業界最速で不登校を解決する「3週間で不登校解決プログラム」を展開。毎年200名以上の不登校に悩む親御さんが相談に訪れる。

受講者は全員が再登校しており、再登校までの期間は平均で3週間。
当プログラムの目的は、「子ども達がこの先の人生を幸せに生きていくこと」。不登校の解決はそのための通過点に過ぎないと考えており、できる限り短い期間で再登校することを大事にしている。

学生時代には不登校の子ども達に向けたボランティア活動を通し、多くの不登校の子どもたち、保護者様と関わる。

ボランティア活動を通して、子ども達や親御さんとお話しする中で、「本当は学校に行きたい、だけど行けない。自分でも行けない理由が分からない」子ども達が多くいることを知る。

そのように苦しんでいる子ども達や親御さんを見て、「不登校で苦しむ子供たちを一人でも多く救いたい」との思いを持つようになり、不登校支援事業を立ち上げるに至る。

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