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子どもの不登校について調べていると「朝起きられないようだし、起立性調節障害かも?」と気になりますよね。
またお医者さんに起立性調節障害だと診断されて、「2年~3年すれば自然に治りますよ。」と言われた方もいるのではないでしょうか?
大丈夫です!!私たちが支援してきた起立性調節障害のお子さん達も、平均3週間でみんな再登校出来ています。
- 起立性調節障害に子どもが当てはまるけど…
- 「成長とともに良くなる」と見たけど、それまで不登校なの?
この記事は、起立性調節障害と不登校の関係、改善して再登校できるのか知りたい親御さんに向けて解説しています。
逸高等学院の代表で【3週間で不登校解決プログラム】を展開する小川涼太郎さん監修のもと、お話しする内容は次のとおり。
わかること
- 起立性調節障害について
- 不登校との共通点
- 起立性調節障害と不登校を解決する方法
結論を話すと、起立性調節障害の症状は「不登校あるある」
心配しなくて大丈夫です。
また、起立性調節障害と不登校の解決方法は共通しているため、この記事にある2つのことに取り組めばスグに解決できます。
目次
1. 不登校の起立性調節障害は心配不要⁉︎
不登校のおよそ3分の2から半分に当てはまるとされる、起立性調節障害。
調べるほど、次の内容が気がかりになりますが、心配しなくて大丈夫です。
- 症状が子どもに当てはまる
- 重症だと治るのに2〜3年かかる
起立性調節障害で起こる症状のほとんどは、不登校の子どもによく見られるもの。
- 朝起きられない
- 1日中ダルい
- 昼から夜にかけて元気になる
不登校なら誰しも、1度は経験済みです。
また、起立性調節障害と不登校は、症状や原因、改善・解決方法に多くの共通点があります。
このため、ポイントをおさえればどちらも解決可能。
子どもが不登校で起立性調節障害を持っていたとしても、不安になる必要はないのです。
ただし、成長にともない時間が解決してくれるとは限りません。
放置するほど学校復帰が遠くなることには注意が必要です。
2. 起立性調節障害と不登校の共通点
この章では、次の3つを解説します。
簡単な流れ
- そもそも起立性調節障害とは?
- 共通点:症状
- 共通点:原因
すでに調べていると思いますが、不登校との共通点を理解するためにも、起立性調節障害についてチェックしましょう。
2-1. そもそも起立性調節障害とは?
起立性調節障害とは、自律神経の働きが弱まり、循環器系の調節がうまくいかない病気。
- 自律神経:自分をコントロールする神経
- 循環器系:栄養や酸素、老廃物を運ぶ器官
自律神経は次の2つがあり、バランスをとりつつ体内の環境を保っています。
- 交感神経:体を活動的にさせる
- 副交感神経:体を休ませる
自律神経のバランスがくずれると、血液やリンパなど流れるべきものが流れなくなるため、体に不調を引き起こします。
起立性調節障害が多い学年などは次のとおり。
- 小学校の高学年から中学生の思春期
- 男の子よりも女の子に多い
- ストレスを自分の中に溜め込むタイプに起こりやすい
次は、起立性調節障害と不登校に共通して見られる症状を見ましょう。
2-2. 共通点:症状
次の表は、起立性調節障害のチェックリストをもとに、起立性調節障害と不登校の子どもが抱えやすい症状をまとめたものです。
起立性調節障害 | 症状 | 不登校 |
○ | 立ちくらみ、めまいをよく起こす | × |
○ | 立ち上がると気分が悪くなる、気を失うことがある | × |
○ | イヤなことを見聞きすると気持ちがわるくなる | ○ |
○ | 急に胸がドキドキする、息切れしやすい | × |
○ | 朝起きずらく、午前中はぐあいが悪い | ○ |
○ | 顔色が悪い | ○ |
○ | あまり食欲がない、食事のじかんになっても食べたいと思わないことがある | ○ |
○ | 腹痛がおきやすい | ○ |
○ | 頭痛がおきやすい | ○ |
○ | 疲れやすい | ○ |
○ | 乗り物酔いしやすい | × |
NPO法人起立不耐症と起立性調節障害の会「起立性調節障害(OD) 体調チェックシート」をもとに作成
どちらも心だけでなく、体に症状が出ます。
さらに、共通する点は「朝に症状が重く出やすい」こと。
このため、起立性調節障害の子どもや不登校の子どもは、昼夜逆転しやすい傾向にあります。
2-3. 共通点:原因
起立性調節障害と不登校は、原因も一部が共通しています。
起立性調節障害 | 原因 | 不登校 |
○ | 水分不足 | × |
○ | 運動不足 | × |
○ | 遺伝 | × |
○ | 年齢によるもの | ○ |
○ | ストレス | ○ |
起立性調節障害は、大きく分けると2つの原因で起きます。
- 体に原因がある
- ストレス
不登校もまた、学校や家庭でのストレスが積み重なって起きるもの。
ストレスがかかれば、自律神経のバランスは崩れます。
体を休める副交感神経が機能せず、体を活動させる交感神経が常にONになるため
- 夜、眠れなく
- 疲れやすい
- イライラする
- 頭痛・腹痛がする
などの症状が出るのです。
起立性調節障害も不登校も、ストレスによって起きることに変わりはありません。
ツラいものではありますが極端に心配する必要はなく、ポイントをおさえた取り組みをすれば必ず改善します。
起立性調節障害や不登校になりやすい子の特徴がわかります
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2-3-1. 症状が重い・体に原因がありそうな場合
もしも、あまりにも症状が重い、体に原因がありそうな場合は迷わず病院へ行きましょう。
- 小児科
- 耳鼻科
では、起立性調節障害が体と心のどちらが原因で生じているのか検査してもらえます。
2-3-1-1. 病院での診察や治療法など
起立性調節障害の検査・診断は次のとおりです。
- 問診で症状が3つ以上もしくは、強い症状が2つ以上あるか確認
- 別の病気(神経疾患や内分泌系の異常)があるかをチェック
- 新起立試験を行う(立つときの血圧・脈の検査)
- 診察やカウンセリングで、学校・家庭のストレスがないかを調べる
以上の流れを踏まえ、起立性調節障害の診断が出されます。
気になる治療法は次のとおり。
- 周りに理解してもらい、サポートを得る
- 日常生活の改善
血圧の薬が出たり、カウンセリングを受けることもあります。
ですが、周囲のサポートと生活習慣の見直しをしない限り、改善は見込めません。
周囲のサポートと日常生活の改善は、実は不登校の解決にもつながります。
次の章でチェックしましょう。
3. 起立性調節障害と不登校を解決するために必要な2つのこと
ここまでは、起立性調節障害と不登校についての説明でした。
いよいよこの章からは、克服するための方法についてお話しします。
次のたった2つのポイントをおさえ取り組むことで、状況は改善しますよ。
簡単な流れ
- 子どもの心身を理解してサポートする
- 日常生活の改善をする
順に確認しましょう。
3-1. 子どもの心身を理解してサポートする
まず、子どもはあなたのサポートなしでは起立性調節障害からも、不登校からも抜け出せません。
あなたが今の状況に悩んでいるように、子どもも苦しんでいるのです。
- 本当は学校に行きたいのに…
- このままじゃダメだって、わかっているけど…
親ができることは、子どもが抱えているストレスを軽くしてあげること。
おすすめは、子どもと話すことです。
- 今の体調
- 心配していること
などを聞いてあげると、子どもは心が軽くなります。
子どものツラさを、あなたなりに受け入れて理解することで、子どもを力強くサポートできるようになります。
もしも、子どもがネガティブなことしか言わなくても大丈夫です。
ゆくゆくは、友だちや学校側の理解・サポートも必要です。
次の記事で、子どものことを学校に理解してもらう方法をチェックしておきましょう!
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3-1-1. サポートのカギは正しい親子関係(家庭環境)
正しい親子関係(家庭環境)は、起立性調節障害と不登校を乗り越えるために欠かせません。
親子関係(家庭環境)が正しいか・歪んでいるかは、次のような違いがあります。
正しい親子関係(家庭環境):信頼関係がある
歪んだ親子関係(家庭環境):信頼関係がない
信頼関係があるなら、あなたと子どもは面と向き合うことができます。
子どもは、あなたのサポートやアドバイスも積極的に聞き入れるでしょう。
しかし、信頼関係がない場合、子どもはあなたと向き合うことを避けます。
あなたが関わろうとするほど、子どもは自分の中に閉じこもってしまうのです。
とくに、起立性調節障害や不登校の症状に対し、次のように感じていた場合は要注意。
- サボり
- 怠け
知らないうちに根性論で接していたり、ついキツいことを言ってしまっているケースがあるため、子どもからの信頼を失いつつあるかもしれません。
また、あなたが次の動画の特徴に当てはまると、子どもにとって「親がストレス」になっている可能性も。
親子関係(家庭環境)が正しいか歪んでいるか気になったら、逸高等学院へご相談ください。
3-2. 日常生活の改善をする
起立性調節障害と不登校の症状を良くするためには、生活の見直しも必要です。
- 食事
- 睡眠
- 運動
不調を解決するためのアドバイスは、次のとおりです。
食事:1日2Lの水分、10gの塩分をとる
体内の血の量を増やすと同時に、循環も改善してくれます。
水分は一気にではなく、コップ1杯の量をこまめに飲むように。
塩分は食事を「美味しく感じる」「味がついている」とわかる濃さであれば大丈夫です。
睡眠:夜に寝て朝に起きる
体内時計を正しくすることで、心と体のリズムをつくります。
年代ごとに必要な睡眠時間は、一般的には次のとおりです。
- 6~13歳:9~11時間
- 14~17歳:8~10時間
昼夜逆転から規則正しい生活に戻すにも、家族の協力は欠かせません!
運動:1日約30分のウォーキング
遊びに行けるときもありますが、それだけでは運動量が足りていないことも。
体育の授業のように激しい動作は必要なく、ウォーキングや散歩でも十分。
筋力低下の防止が期待でき、気分もリフレッシュできます。
もし、立ちくらみ、めまいを起こしやすい場合は、食事と睡眠、運動に加えて動作も気をつけましょう。
動作:朝起きるとき、立ち上がるときは“ゆっくり”
自律神経の働きが弱まっていると、下半身の血管を縮めて心臓へ戻す動きが正常にはたらきません。
体の動きに対して、体内の動きが追いついていないのです。
このため、立つときはゆっくり、じわっとを心がけるようにしましょう。
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4. まとめ
起立性調節障害の症状は、不登校の子ども「あるある」なので気にしなくて大丈夫です。
- イヤなことを見聞きすると気持ちがわるくなる
- 朝起きられず、午前中は調子が悪い
- 顔色がよくない
- 食欲がない
- 腹痛や頭痛がおきやすい
- 疲れやすい
症状の多くは、ストレスによって自律神経が乱れることで引き起こされます。
起立性調節障害と不登校の解決方法は同じで、次の2つがポイント。
- 子どもの心と体の状態を理解し、サポートする
- 日常生活を見直し、改善する
あなたとお子さんの間に信頼関係があることは前提です。
そのうえで
- 食事
- 睡眠
- 運動
- 動作
を少しずつ良くしていきましょう。
必ず、起立性調節障害も不登校も克服できます。
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5. 追伸:起立性調節障害も不登校もあなたの相談次第です
起立性調節障害と不登校は、症状と原因、解決法が共通していました。
実はもう1つ、共通点があります。
それは、時間は解決してくれないということ。
放っておくほど、お子さんはネガティブになり、体調も悪化するでしょう。
そうなってしまうと、この先の進学なども危うくなります。
最悪を防ぐために親ができることは、相談することです。
「やっぱり起立性調節障害だと思うし、不登校も治るかどうか…」
と思うのであれば、私たちに相談いただけたらと思います。
「2、3年で治るので見守りましょう」なんて、言いません。
代わりに「起立性調節障害は気にしなくて大丈夫。再登校もできます」と、あなたに伝えます。
実は、次の動画で紹介する親御さんも、あなたと同じでお子さんの起立性調節障害を心配していました。
その後、お子さんは無事に再登校できており、親子関係も改善しています。
お子さんの今後のためにも、なるべく早い相談がおすすめです。
なお、私たち逸高等学院の不登校支援は少人数で全国の親御さんの不登校支援をしてます。
状況によっては支援開始が遅くなる恐れがある点を、ご了承ください。